ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす危険な現象です。特に冬場、暖かい部屋から寒い浴室やトイレに移動する際に多く発生します。
ヒートショックによる死亡リスク(確率)は、日本では特に高齢者の冬季において重要な健康課題です。正確な「確率」という形でのデータは年齢や地域、住環境によって大きく異なりますが、以下に一般的な情報を紹介します。
日本法医学会・厚生労働省・東京都監察医務院などの統計によると、年間約1万9,000人以上がヒートショックに関連する入浴中の急死で亡くなっていると推計されています。
交通事故による年間死者数(約2,500人)に比べてはるかに多いことが分かります。
▼ CONTENTS ▼
1.死亡リスク(確率)の目安
2.住宅でできるヒートショック対策
3.まとめ
1.死亡リスク(確率)の目安
ヒートショックで亡くなる確率は、以下の要因に大きく左右されます。
- 年齢
高齢者(65歳以上)で特にリスクが高い。
高齢者の中でも、心疾患や高血圧のある人のリスクが非常に高い。
- 住環境
断熱性が低い住宅(特に古い家)では、浴室や脱衣所が極端に寒くなるためリスク増。
地域別では、寒冷地よりも温暖な地域(例:関西、九州など)でヒートショック死亡率が高いという意外な傾向があります(油断して暖房設備が整っていないため)。

2.住宅でできるヒートショック対策
このことから、日常を過ごしている住宅にヒートショック対策を取り入れることで、大きく軽減できます。
住宅でできるヒートショック対策をみてみましょう。
1.断熱性能を高める
高気密・高断熱の家にする
壁・床・天井・窓の断熱材や気密性を高めることで、屋内の温度差を小さくします。
特に浴室・脱衣所・トイレの断熱は重要。

トリプルガラスやLow-E複層ガラスの導入
窓からの熱の出入りを抑えることで室温が安定します。

2.全館空調・床下暖房などの導入
全館空調システム
家全体の温度を均一に保ち、どの部屋でも寒暖差を少なくできます。
床下エアコンや床暖房
特に脱衣所・トイレ・浴室前などに設置することで、寒さを感じにくくなります。

3.浴室の暖房設備の設置
浴室暖房乾燥機
入浴前に浴室を暖めておくことで、急激な温度差を防ぎます。
脱衣所ヒーター・パネルヒーター
脱衣所も暖めておくとより効果的。

4.間取りの工夫
浴室・脱衣所・トイレを家の中心部に配置
外気の影響を受けにくい場所に配置すると、温度が安定しやすい。
暖かいリビングと隣接させる
暖房の熱が伝わりやすくなるため、寒暖差を軽減できる。

5.温度センサーやスマート機器の活用
室温センサー+スマート暖房制御
決まった温度以下になったら自動で暖房を入れるシステムで、無意識のうちに快適な温度を保てます。
3.まとめ
こうした対策を取り入れることで、「寒い場所がない、どこにいても快適で安全な住まい」を実現できます。
大切なご家族が毎日使う場所だからこそ、ヒートショックのリスクを未然に防ぐ住まいを一緒に考えませんか?

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